バッティング指導で「力を抜け」「リラックスしろ」と言われた経験がある人も多いと思います。
私のブログでも下記の通り、これまで再三にわたり「意識して作るのではなく、脱力により自然に創られる理想の動き」について語ってきました。



ただ、その言葉通りに脱力しようとしても、思うように力が抜けないと感じる人も多いのでははないでしょうか。
実はそれは、感覚が鈍いわけでも、理解力が足りないわけでもありません。
原因はとてもシンプルです。
多くの人が、スイングとは「振り始める動作」だと思い込んでいるからです。
スイング始動時にすべきこと
これまでの話でも何度も触れてきました。
- ヘッドは重い
- 体幹が先に動く
- 手や腕は基本的に“振られる側”
この前提がある以上、スイング開始でやるべきことは「腕や手でバットを動かすこと」ではありません。
それにもかかわらず、多くのバッターは「さあ振ろう」とした瞬間に、「振る=力を入れる」と錯覚してしまいます。
これが、いわゆる「初動で力む」の正体です。
実は逆だった「構え」と「スイング開始」の力具合
ここで、よくある勘違いがあります。
一般的には、
- 構えはリラックス
- スイングし始めに力を入れる
のが当然のように感じてしまいます。
ですが、実は正しくは逆なのです。
- 構えている時 → グリップが不用意に落ちないように支えている
- スイングが始まる瞬間 → その支えを外す
つまり、
- 構え=支えるフェーズ
- 開始=脱力して落下を許すフェーズ
という関係になります。
「グリップを下げる」ではない
私はよく「スイング開始ではグリップを落とす」という表現を使います。
ただし、これは“下げる” という意味ではありません。
正しくは、「グリップを落とそうとしなくていい、ただ支えるのをやめる」ということです。
つまり
- 「下げる」「落とす」のではなく
- 「落ちることを許可する」
という感覚です。
このスイング始動の瞬間に起きているのは、
- グリップがわずかに下方向へ落ちる
- 体幹が回転し始める
- グリップが落ちながら少し前に動く
- ヘッドは慣性でさらに遅れて下がる
という流れです。
この時点では、まだ「振っている感覚」はほとんどありません。
ですが、ここで正しく支えが外れていれば、その後の理想的な回転と加速は、ほぼ自動的に起こります。
「振りにいく」ほどスイングは遅くなる
面白いことに、
- 振ろうと意識するほど
- グリップをコントロールしようとするほど
スイングは 重く、遅く、ズレ やすく なります。
これは無駄な力が入ることで、体幹主導により腕が振られるという理想的な動きを阻害してしまうためです。
つまり、「力を抜いたら偶然うまくいく」という話ではありません。
身体構造的に、そうなるという話です。
スイングの開始は、力でバットを動かすのではなく、体幹の回転に合わせて手の支えを外すことにより始まるということを、頭に入れておきましょう。
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※本記事の内容は、筆者自身の経験と考察に基づく個人的な見解です。すべての選手・指導環境に当てはまるものではありませんので、参考の一つとしてお読みください。
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